Archive for the 'わくわく映画' Category

「桐島部活やめるってよ」

水曜日, 6月 4th, 2014

去年書いていたレビューなんですっかり遅くなりました。

追われる時間を無理やり横に置いてでも、
クレジットタイトルまで余韻に浸ることを
良しとする映画がある。
ミステリーなのか青春群像なのか、
私たちは姿が見えない「桐嶋」という
紛れもない主人公を追いかけながら、
この映画のもたらす不可思議な余韻を味わうことになる。
皆がその時代に少なからず感じたことのある、
「あの感じ」に心をヒリヒリさせながら。

人生は他人と交わりながらも
それぞれに自分だけのものであろう。
それが青春時代とあっては、切り取られるものは、
より鋭く自分の視点を中心にして尖っていく。
同じ「金曜日」が、同じ風景が、
その立場であんなに違って見えていたことを、
今更ながらにこの映画を通して思い起こさせられる。

それが自分の心のすべてを支配していたことが、
中年のおじさんになった今では
単なる思い出に過ぎないことも、
言いようのない口惜しさとして残ってしまうことも
衰えた証拠か。


 変に感傷的なことを書いてしまったが、
この映画は観るもの一人ひとりにとって、
違う景色を見せてくれることだろう。
当たり前の青春時代の日常の風景は、
こんなにも退屈で、こんなにも自堕落で、
こんなにも抑鬱的で、こんなにもドラマチックで、
こんなにも甘酸っぱい代物だった・・・
よねって。

つまり今でも自分の靴を脱いで、
人の靴を履いてみれば、
こんなにも景色が違って見えることを教えてくれる。

ミステリーとして、
クレジットにさえ姿を現さない「桐嶋」を早く見せろ!
なんていう欲求は、いつの間にか
それぞれの「桐嶋」を通した青春の輝きに
埋もれて消えてしまった。

「きっと映画監督にはならない」という彼の瞳が、
映画監督を目指していた当時の自分と違って、
輝きすぎやろ!って
ひとり突っ込みを入れている自分がいて気恥ずかしい
でもいい映画です。
私とっては間違いなく。
きっと皆さんにとっても

『情婦』

金曜日, 11月 30th, 2012

 最近TSUTAYAに「発掘良品」というコーナーが出来ています。

http://www.tsutaya.co.jp/movie/ms/t-hr/index.html

撰者のお勧めの言葉とともに、

古今東西の優れた名画が並んでいますが、

その中に一つが私の心を揺さぶりました。

「この映画を観ていない不幸、この映画をこれから観れる幸福。

私はこれからこの感動を味わえるあなたが羨ましい」といった

推薦文に惹かれ、思わず手に取ったのが、

ビリー・ワイルダーの『情婦』

 この映画モノクロですが、

観終わった後に訪れる驚愕と爽快感が半端ではありません。

これぞ映画!

劇中に交わされるウイットに富んだ会話のやり取りが、

退屈な日常を忘れさせ、ビリー・ワイルダーの天才的なセンスを

堪能させられます。

そして誰にも言えないラストシーン!

これはどんなおしゃべりも口籠らせるほどの大どんでん返し!

マレーネ・ディートリッヒの驚愕の女優魂

タイロン・パワーの軽薄の中に垣間見える誠実

チャールズ・ロートンの重厚な知性

 CGや3Dオンパレードの映画に

なれ親しんだ14歳の息子にこれを観せました。

すると「こんな凄い映画は観たことない!ほんまに面白かったわ!」

やはり名作は不滅です。

AKBや嵐しか聴かない娘も、

いつかローリング・ストーンズや

ブルース・スプリングスティーンを聴いてくれるのかなと、

ちょっと期待する中年オヤジでした。

ミッションインポッシブル ゴーストプロトコル

土曜日, 1月 28th, 2012

正月早々長男、長女と三宮を駆け巡って入った映画館

御目当てはミッションインポッシブル4 

 

ところがどの上映回も満席

空いているのは前列2列目のみ 

それもすべて字幕

ここまで来てアニメだけには妥協したくない

ここは父の威厳?を振りかざし「行くぞ!」

ところがすでに予告が終わろうかという時間にも拘わらず、

長女が「トイレ~」

 やっと入った頃には、

すでにトムクルーズがロシアの刑務所で大活劇の真っ最中。 

後でネットの感想を読むと、このオープニングが大絶賛。

「ううっ、悔しい・・・」 

しかしその後からも全く隙間のない展開、

だからといって慌ただしさを感じさせない

そのストーリーテリングの妙に脱帽。

正直大傑作ではないでしょうか。

前列で観る目や首の疲れなど忘れ、

何度も子どもたちとその面白さに、目を合わせて思わず拍手。

これまでミッションインポッシブルを観たことがない子どもが、

エンディング中「DVD借りて~」

すると帰りのエスカレーターで下りて行く途中、

CDショップに

「この感動が醒めないうちに、

ミッションインポッシブル1,2,3併せて3000円!」

「上手いことやるな~」

感心しながらもレジに並んでしまうアホな父

ミッションインポッシブルは、

ブライアンデパルマのPart 1が一番面白いぞ!と

子どもに言いながら、早速車で上映会

 

ところが子どもは観ている横からグ~グ~スヤスヤ

確かにあんなに傑作と思っていたPart 1さえ

退屈に感じてしまうほど、今回のミッションインポッシブルの

出来が素晴らしかったのです。

どんな監督が作っているんやろと思いきや。

何とアニメーションの監督で実写は初めてとのこと。

驚きました。

逆に宮﨑 駿監督に実写を撮らせたら、

どんな凄いものを撮ってくれるんやろと、

勝手に想像してしまうのは私だけでしょうか。

もう一度、しっかりトイレに行って、

オープニングからE席で観ることにしましょう。