丹波市 「わく歯科」の院長BLOG

丹波市 歯科 わく歯科

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院長BLOG

近畿デンタルショー

丹波市の歯科医師会でバスに乗って、 神戸で開催された近畿デンタルショーに参加してきました。 スタッフも参加OKでしたので、 わく歯科から3人の衛生士がバスに合い乗り。 他にも何人か若いスタッフが加わり、いつものおっさんツアーと違う、 華やかないい匂いが漂っていました(笑) ポートピアのデンタルショーの会場では、 新しい器具や器械に目を奪われ、 うろちょろとあちこちで油を売っていました。 スタッフは「先生あれほしい!これもいい!」と僕の手を引き、 まるで新地のお姉さん状態(笑)   10年前まではデンタルショーに行くと、 紙袋一つでは済まないほどの試供品で溢れていましたが、 今では袋の重みを感じるほどスカスカです。 どこへ行っても不景気を実感させられるエピソードばかり。  ところで今回スタッフとともに聴いた 山本浩正先生の基調講演は秀逸でした。 私も10数年前にお世話になったJIADSで、 当時から新進気鋭の歯周病医として活躍されていた山本先生。 JIADSといえば、切ったり貼ったり埋め込んだり、 アメリカンぺリオを中心にした外科集団です。 山本先生はそのJIADSきっての論客としても有名で、 私たちも先生の著作を通して大変勉強させて頂いています。 その山本先生が言われた一言 「メンテナンスに繋がらない動的処置は無意味である」 衝撃でした!  私は当時、JIADSやSJCDなどの勉強会を通じて、 100点満点の治療とはどういうものかを学び、 それを実践していくことこそが、 患者さんの幸せを創り出すと信じきっていました。 それゆえ患者さんが望む望まざるにかかわらず、 理想の形を追い求めた治療を繰り返していたものです。 その結果治療が何年も掛かり、手術を何回も繰り返し、 終わった時には患者さんの心は折れ、力尽き、 しばらく歯医者に近づきたくなくなるであろうことは想像が出来ます。 次に患者さんがお越しになられる時は、 あれだけ時間を掛けた治療が壊れた時のみ。 歯医者が患者さんに与えたイメージが、 苦痛なものでしかなければ、どんなに100点で終わっても、 数年後には0点になって帰って来られます。   この患者さんは他所の歯医者さんで、 全ての歯を抜くしかないと診断された患者さんです。 わく歯科に来られた時、私の診断も同じでした。 それゆえ積極的には何の治療的介入もしておりません。 抜けるのを待って、総義歯か、インプラント。   そう、初診から1,2年でそうなるであろうと予測していたのです。 ところがそれから10年近く、 この患者さんは3カ月ごとのメンテナンスを 一度も欠かすことなく真面目に来院されました。 信じられないことに、その間一本の歯も失うことなく 初診時の状態を維持されているのです。 きっとこのレントゲンを診て、 10年後に何も変わっていないことを予測出来た歯科医師 歯科衛生士が、果たして何人いることでしょう。 当然維持されるためにはいくつかの条件があります。 咬合力が弱いこと、除菌が完了していること。 しかし何より一番大きいのは、メンテナンスが中断されないことでしょう。  もしこの患者さんに理想的とも言える大規模な処置を施したうえで、 メンテナンスに移行していたら、 こんなにいつも笑いながらわく歯科に来て下さっていたでしょうか。 再生療法で何度も刻まれて作った骨が、 数年後にそのまま残っているでしょうか。 「メンテナンスに繋がらない動的処置は無意味である」  これまでJIADSを通して、大規模な動的処置を多く経験してこられた 山本先生の言葉だからこそ重く、そして意味深く、私たちに問いかけます。 定期的な細菌バイオフィルムの破壊と除去のもたらす効果。 それこそが理想的な動的処置を上回る最善の歯科処置であることは、 もはや疑いの余地がありません。 わく歯科でも「最小限の治療、最大限の予防」というクレドがありますが、 山本先生の言葉で、その行き先が間違っていないことを、 改めて確信させて頂きました。 正直デンタルショーの買い物ついでに来た講演で、 こんなに勇気付けられるとは思いませんでした。 帰りに歯科医師会の皆で食べに行った四川料理が、 辛さ以上に熱く熱く感じられました。