丹波市 「わく歯科」の院長BLOG

丹波市 歯科 わく歯科

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院長BLOG

「桐島部活やめるってよ」

去年書いていたレビューなんですっかり遅くなりました。 追われる時間を無理やり横に置いてでも、 クレジットタイトルまで余韻に浸ることを 良しとする映画がある。 ミステリーなのか青春群像なのか、 私たちは姿が見えない「桐嶋」という 紛れもない主人公を追いかけながら、 この映画のもたらす不可思議な余韻を味わうことになる。 皆がその時代に少なからず感じたことのある、 「あの感じ」に心をヒリヒリさせながら。 人生は他人と交わりながらも それぞれに自分だけのものであろう。 それが青春時代とあっては、切り取られるものは、 より鋭く自分の視点を中心にして尖っていく。 同じ「金曜日」が、同じ風景が、 その立場であんなに違って見えていたことを、 今更ながらにこの映画を通して思い起こさせられる。 それが自分の心のすべてを支配していたことが、 中年のおじさんになった今では 単なる思い出に過ぎないことも、 言いようのない口惜しさとして残ってしまうことも 衰えた証拠か。  変に感傷的なことを書いてしまったが、 この映画は観るもの一人ひとりにとって、 違う景色を見せてくれることだろう。 当たり前の青春時代の日常の風景は、 こんなにも退屈で、こんなにも自堕落で、 こんなにも抑鬱的で、こんなにもドラマチックで、 こんなにも甘酸っぱい代物だった・・・ よねって。 つまり今でも自分の靴を脱いで、 人の靴を履いてみれば、 こんなにも景色が違って見えることを教えてくれる。 ミステリーとして、 クレジットにさえ姿を現さない「桐嶋」を早く見せろ! なんていう欲求は、いつの間にか それぞれの「桐嶋」を通した青春の輝きに 埋もれて消えてしまった。 「きっと映画監督にはならない」という彼の瞳が、 映画監督を目指していた当時の自分と違って、 輝きすぎやろ!って ひとり突っ込みを入れている自分がいて気恥ずかしい でもいい映画です。 私とっては間違いなく。 きっと皆さんにとっても