イチローとEBM
イチローが9年連続200本安打のメジャー記録を更新しました。
まさに日本の誇りですね~
まだまだ先がありそうで、最多安打の記録もまんざら夢ではなさそうです。
それにしてもイチローは35歳ですよ。
アニキ金本や47歳の工藤もさることながら、
なぜこんなに選手寿命が延びているのかということを不思議に思いませんか。
江川や掛布は30代の前半で引退しましたし、当時は40近くまで現役を続けていることのほうが、
非常に珍しかったです。
昔はメタボなおじさんが二日酔いでホームランを打ったり完封したりすることが、
あたかも伝説のように語られ憧れもしました。
今は自己管理を徹底し、割れた腹筋、厚い胸板が当たり前。
西武の広岡監督が選手管理を厳しくして、管理野球などと揶揄された頃が嘘のようです。
高校野球を観ていても、あんなに簡単に140キロを投げ込む高校生はいませんでした。
控えの投手までがそんなスピードを記録している時代は過去になかったでしょう。
これは全て科学の力です。
肉体の科学 心の科学
スポーツの世界が科学の力を取り入れることで、人間の限界点を単に精神力に依存した世界から、
別のステージに押し上げてくれたのだと感じます。
トレーニング方法や栄養管理まで、科学的に間違ったものを排除して、
正しいことを追求した結果が選手寿命を延ばし、限界値を向上させたのでしょう。
歯科や医科の世界でもそうです。
科学的根拠に基づいた医療行為(EBM)は、歯や肉体の寿命を確実に延ばします。
経験則だけに頼っていた時代は、うさぎ跳びを強要するようなもので、
実は何のメリットも生み出していないこともあったでしょう。
ただしイチローと同じトレーニングをしたから、皆イチローになれるわけではありません。
その人の肉体や心、タイミングに応じたオーダーメイドな方法が大切です。
科学の進歩を正しく、優しく使う。
医療者としても、患者としても、その恩恵を受ける限りは、襟を正して望まねばなりません。