丹波市 「わく歯科」の院長BLOG

丹波市 歯科 わく歯科

完全予約制 ネット予約0795-82-1128
  • 診療時間
    9:00~13:00/14:00~18:00(土曜17:00)
  • 休診日
    木、日曜、祝日(木曜日変更の場合があります)

院長BLOG

慈眼寺への旅 Part 1

 塩沼亮潤大阿闍莉という方をご存じでしょうか とんでもない修行をなさったすごいご住職なのです 吉野の山にある金峯山寺というお寺で、 1300mの高低差を一日48キロ歩き続けるという、 1300年の歴史上、たった二人しか為し得なかった 1000日回峰をなさり、 その一年後に九日間 寝ない、食べない、横にならない、飲まないという 四無行を満行された大阿闍莉様なのです。  その方が生まれ故郷の宮城で、 慈眼寺というお寺を開山されております。 http://www.jigenji.net/ 和久憲三と私は今回そのお寺で催される 護摩供養に参列致しました。 何故にこのお寺に行くことになったかというと、 そこには本当に不思議なご縁が御座います。 ブログにも書きましたが、 私が尊敬してやまない横浜の 吉野敏明先生の診療所でのことでした。 横浜まで難しい患者さんをご夫婦で二組お連れした時のこと そのうちのご主人が待合で手にした雑誌、 それが『致知』でした。 以前よりその雑誌の大ファンでもあった私は、 その2カ月前に、塩沼亮潤大阿闍莉と 茂木健一郎さんの対談を読み、 初めてその存在を知ることになります。 http://www.chichi.co.jp/monthly/images/mogi-shionuma-pp08-pp09.pdf 何か猛烈にその大阿闍莉様に惹かれるものを感じ、 どうしても会いたいという気持ちに駆られていました。  吉野先生が診察後に懇親会を催して下さり、 そこで何気なしにそのことをお話すると、 信じられない言葉が返ってきたのです。 「阿闍莉様はうちの患者様ですよ。」 ????だって宮城の方ですよ! 信じられない顔をしている私に、 勤務医の先生が「これ阿闍莉様から頂いたお手紙です」と 和紙に達筆な毛筆で書かれた手紙を 取り出して下さいました。 私は突然胸が熱くなり、抑えきれないものが 涙となって溢れだしてしまいました。 「先生が会いたいという気持ちが強かったのですね。 ご縁ですね。」 吉野先生のお言葉がまた琴線に触れます。 数か月して、吉野先生が横浜のホテルで催される、 阿闍莉様の講演にご招待下さりました 800人もの聴衆を前に講演されるお姿はまさに神々しく、 感極まり涙されるご婦人も大勢おられました。 その後に吉野先生が主催される懇親会にご招待頂き、 何と大阿闍莉様の隣で座る機会を頂戴したのです。 そこでまた私は涙することになります。 ひとりひとり挨拶することになったのですが、 その中に吉野先生のご両親がおられました。 するとその番になりお母様から 「最近この子が生んでくれてありがとうと言うんですよ。 これも阿闍莉様のお陰です。」 お父様からは「よく喧嘩ばかりしていたけど、 今では我が息子ながら誇りに思うんですよ。」と それを聴いていると、まるで 今は亡き父からその言葉を頂戴しているような 錯覚に陥りました。 男は誰しも多かれ少なかれ、 父親からの承認がほしくて頑張っているところがあります。 幼児期の承認の欠如を埋め合わせるために、 一生を費やしているかもしれません。 僕にとって吉野先生のお父様の言葉は、 自分の張りつめた心を解きほぐすに十分過ぎました。 そこに集う全ての人々の口から紡ぎだされる 優しくも熱い言葉 それは間違いなくその中心に座っておられる 大阿闍莉様の存在が、それを引き出していました。 横に座っておられる大阿闍莉様は、 オーラというより、まるで無のように 私たちの心に入って来られているのです。 私にとって得難い経験でした。 その後頂いたお手紙は 和久家の宝として、保管されています。