救命病棟24時 第4シリーズ
9月1日にいつものように仕事が終わって、丹波医療再生ネットワークに参加してきました。
今回は丹波市の市民で作る行革委員会の方もお越しになられて、
熱い議論で12時近くまで掛かりました。
10月17日にゆめタウンのポップアップホールで開催する医療フォーラムの話が中心でしたが、
外の秋の気配もよそに、里クリニックの中だけは真夏の暑さが漂って、汗をかいてしまいました。
市民にフォーラムで何を伝えるべきなのか、本当に難しい問題です。
皆さんは『救命病棟24時』をご覧になっていますか。
<a href="http://wwwz.fujitv.co.jp/kyumei24/index.html
私は遅ればせながら、今回初めて拝見しました。
それも丹波新聞の足立記者が 「これはシリーズ至上最高傑作や!」
と興奮しながらネットワークの皆に見せてくれたのです。
確かにこれは日本の置かれている救急の実態と矛盾を、的確に現していると感動しました。
誰かの 『今ここであなたが倒れたら』 にも勝るとも劣らない名作です!(プロの皆さんすみません 笑)
ところが翌日、わく歯科のスタッフにこの話を聴くと、
ユースケサンタマリア演じる所長や、現場から立ち去った板尾演じる救急医のことを悪者として
捉えていたのに愕然としました。
いつも私の話を聞いてくれているスタッフでさえ、そう感じて観ていたのです。
私達が訴えていることは、まさにユースケサンタマリアの主張ですから、驚くのもなおさらです。
日本の医療の崩壊(特に救急)は、あのようにただでさえ過酷な現場に、コンビニ受診と言われる軽症患者さんたちが
押し寄せて引き起こした現実があります。
進藤先生のように強靭な体力と精神力、使命感によってのみ、これまでの救急は支えられていたのです。
ところが新臨床医研修制度などによって、過酷な救急に来る医者は減り、それに追い討ちを掛けて
夜に開いてる便利な病院(コンビニ)という患者意識が崩壊を加速させました。
どこの救急も「たらい回し」も「受け入れ拒否」もありません。「受け入れ不能」なんです。
丹波では崩壊寸前だった小児科を、「柏原病院の小児科を守る会」http://mamorusyounika.com/
のママさんたちが救いました。
①コンビニ受診をやめよう
②かかりつけ医を持とう
③お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう
というシンプルな訴えによって、夜間の救急受診を適正受診に変え、
ふるさとを立ち去る間際だった小児科医(私の幼馴染)を思いとどまらせました。
救命病棟24時の第一話で、「最近患者にありがとうと言われたことはあるか」という言葉とともに
江口演じる進藤先生が、患者さんのありがとうによって心を救われた話は記憶に新しいです。
私達が伝えなければならないこと。
今の医療崩壊の実態を伝え
自ら自分や家族、隣人の身を守る術を伝え
お医者さんにありがとうを伝えることではないでしょうか。
今奇跡的にこの地域に存在する医療に、海南病院高度救命センターを期待してはいけません。
今ここにいて下さるお医者さんに、進藤先生を期待してはいけません。
進藤先生が医者の当たり前の姿で、私達市民を全て受け入れて診るのが当たり前だという権利意識が、
目の前から医療を奪ってしまうことに気付かなければならないのです。
誰も目の前の患者の命から目を背ける医者はいません。
ただその臨界点を超えている現実が、日本の救急医療なのです。
それにしても第2話以降が精神論が多くなってきたことが気がかりですが、
録画までして観る、唯一のドラマであることには違いありません。
きっとこんなことまで考えながら観てるのは、医療崩壊に何らかの形で関わっている人だけやろね
純粋なドラマとして観れない自分が悲しい~