年に一度回ってくる鶴歯会のケースプレゼンテーションで、
私が発表しました。
鶴歯会のケースプレは私にとりまして、
自分の臨床の一年間を振り返る大切な場でもあります。
どんな業界でも同じかもしれませんが、
一つの集団とは同じ考え方、同じ物の見方の人たちで
構成されてしまいます。
原発推進派の学会では、反対派が意見するのは難しいでしょう。
それと同じことが歯科業界の中でさえあります。
様々な学会や研究会が存在しますが、
それぞれに自分の主義主張が称賛され、
心地よいと思えるメンバーだけが残ってしまいます。
時としてそれを脅かす存在には、除名もあり得るのです。
その点、鶴歯会は代表の岡崎英起先生の柔軟性のお陰で、
偏ることなく様々な講師をお呼びし、
年に一度のケースプレでも、自分が信じる臨床を発表できる
自由闊達な自己表現の舞台です。
インプラントもあれば義歯、審美、根管治療、
マネージメント系さえも何でもあり
唯一『GIVE & TAKE』 が厳しい原則で、
ただ発表するだけでなく、
聴く側に何かを提供できなければなりません。
それゆえにこの鶴歯会でも、
自らお辞めになる先生方もおられます。
その鶴歯会を四月から会長として任される立場
この自由で、厳しい伝統を引き継ぐ者として、
いつも以上に気合いを入れて、
ケースプレゼンテーションに臨みました。
最後に岡崎代表から
「和久らしいプレゼンやったわ」とのお言葉とともに、
現会長の海本先生からは
「和久ちゃんは、何を信じてるのかわからん」と言われました。
このご感想は自分にとっては有難く重いお言葉です。
正直今の自分の臨床は
どこにも所属できない存在かもしれません。
どこで発表しても、邪道と評価されてしまいます。
しかし患者さんの思いを形にしようとすると、
一つに頼ることなく様々な方法、
手段を用いるしか自分には出来ません。
結果、目の前の患者さんとスタッフ、
家族の笑顔だけが、自分を支えてくれています。
そして鶴歯会の仲間
私にとっては自分の存在価値を
再認識させてくれる仲間であり、舞台です。
これを遅れて書いている間にも、
何人も大切な仲間がここを去りました。
4月から寂しくなりますが、
また新たに入会を希望して下さる先生方もおられます。
心機一転、新生鶴歯会を、
より魅力的な会に出来るよう微力ながら会長として頑張ります!