丹波市 「わく歯科」の院長BLOG

丹波市 歯科 わく歯科

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院長BLOG

西宮市歯科医師会で講演 『心と技術の融合』~人が輝く歯科医院をめざして

 当院麻酔科医安留先生のご紹介で、
西宮市の大阪歯科大学同窓会の講演を頼まれました。
テーマはスタッフマネージメント

『心と技術の融合』~人が輝く歯科医院をめざして~
これまで大学の先生方が講師として招聘されたこの舞台に、
丹波の田舎開業医が呼ばれることは異例中の異例
一体私が何を話せばいいのでしょう?本当に困りました。


安留先生は「ええねん、ええねん、
いつも大学の講義の延長みたいな話ばっかりやから、
目先を変えて和久ちゃんみたいな開業医の話がええねん」
その言葉を鵜呑みに、いつものように徹夜しながら、
福知山線の電車の中でもパチパチとPCを打ち続けました。
そして梅田の新阪急ホテルの会場に上がってビックリ仰天!

その立派な会場にこのような垂れ幕!
 
そして集まって来られる先生方の年齢層にビックリ!
どう見ても平均年齢60近い大先輩ばかり・・・

その中には今は亡き父が学位を頂いた名誉教授まで
こんな皆さんに、どこの馬の骨とも分からない田舎者が、
今更医院マネージメントなんて・・・とほほ
 
しかしやるからには卑下しても始まりません。
最初から全力投球で講演させて頂きました。

90分しゃべりっぱなしで、乾いた喉に懇親会のビールが沁み渡ります。
途中酔ってしまう前にと、父と私がお世話になった
口腔外科の岡野博郎名誉教授に、
ビール瓶片手にご挨拶に行きましたところ、こんなお話しを頂戴致しました。

「いい話やったな~。天国のお父さんも喜んでおられるよ。
僕も本当に嬉しかったわ。
君はとても良く患者さんの話を聴いてるようやな~それは素晴らしいことや。

でもな、生体の声にも耳を澄ましなさいよ~。

生体の声はいつも平等や。

例え患者さんが大丈夫と言っても、

いつもと治癒が違えば、

そこには何かが隠されているものやからね。

それを見過ごすことなく、自然科学者として

生体に誠実に向き合わないといけないよ。

今日は本当にありがとうね。」

学生時代はあまりに偉い教授で、
父が世話になっていたことを知ってはいても、
近寄ることも挨拶することもありませんでした。

ところがその先生にこのような勿体ないお言葉を頂戴し、
感激のあまり落涙するのをこらえて、言葉に詰まりました。

開業するとマネージメントだのマーケティングだの、
院長としての仕事の比重も大きくなります。
今日の僕の講演は、プレーイングマネージャーとして仕事する開業医の、
マネージャーとしての側面に焦点を当てたもの
しかし岡野先生の言葉に、
歯科医師としての本分に立ち返らせて頂いた気がしました。
さすが自然科学者の頂点におられた方の言葉の重みは違います。
もしかしたらこの出会いは、父が天国から導いてくれたものかもしれないと思うと、
また熱いものが胸を締め付けるのです。

その後安留先生に千鳥足で連れて行ってもらった、
お初天神のコアなバ―の埃を被った貴重なアイルランドウイスキーの味も
忘れられませんが、「生体の声を聴く」 という岡野先生のお言葉に、
すっかり酔った一日でした。