子育てサイト 『すくすくポケット』 ①
丹波医療再生ネットワークの同志でもあり、
わく歯科のご意見番でもあるNPOの代表谷水ゆかりさんから、
育児サイトの医療相談用記事の依頼を受けました。
せっかく書いたんですからブログにも載せましょう。
http://t-kodomo.jp/c/blog/health

「虫歯を防ぐにはどうしたらいいでしょう?」
その問いかけに9割の方が「歯磨き!」と回答されます。
「では歯磨きをする野生の動物を教えて下さい」
その質問で皆さん顔を見合わせて 「???」
そうです。歯磨きをする動物は人間様以外にいないのです。
![2645872029_e32f1f4559[1]](https://www.wakushika.jp/staff-blog/wp-content/2645872029_e32f1f45591-214x300.jpg)
サバンナにも山にも、コンビニや薬局、歯医者さんはありません。
ところが彼らが虫歯で苦しんでいる姿を、
「志村どうぶつえん」や「野生の王国」(古い?)で見たことはないでしょう。
野生動物が虫歯になったら餌を食べられないばかりか、
その牙は脳の付近まで届いており、感染して死ぬしかないのです。
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ではなぜ唯一歯磨きをする人間が虫歯になり、
歯磨きをしない動物が虫歯にならないのでしょうか?
おかしいと思いませんか?

その答えが食生活と唾液の関係にあるのです。
実は唾液には、初期の虫歯を治す役割が備わっています(再石灰化)。
動物が食物を口にすると、その中の糖分を細菌が摂取して、
歯を溶かす酸を出します。
しかし同時に唾液が、酸性化した口の中を中性に戻し(緩衝作用)、
溶けだしたミネラル成分を歯の表面に再添加してくれます。
全ての動物に備わった力です(人間にも)。
ところがその唾液が歯の表面を再石灰化させてくれるには、
中性化して最低3時間という時間が必要なのです。
逆に3時間以内に次の食品が口に入ってくると、
酸性化したまま歯の表面は溶け続けることになります。
![27-2[1]](https://www.wakushika.jp/staff-blog/wp-content/27-21-274x300.gif)
ダラダラ喰いが歯に悪いと言われる所以は、
唾液の性質を無視していることから来ています。
野生の動物には冷蔵庫もスーパーもありません。
彼らが捕った餌はその場で食べきって、
次の餌が手に入るまでは何も口にしません。
だからこそ歯磨きをしなくても、
彼らの歯は唾液によって常に守られているのです。
さて人間はどうでしょう?
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テレビを観ながらポテトチップをかじり、
![eyes0577[1]](https://www.wakushika.jp/staff-blog/wp-content/eyes05771-150x150.jpg)
小腹が減ったら冷蔵庫を開け、
飴玉を舐めながら勉強
唾液が仕事をすることを常に邪魔しているのが人間です。
歯を守るのは、歯磨きでも歯医者でもありません。
唾液なのです!
歯ブラシを買おうとする前に、買い物かごの中身を見て下さい。
唾液の邪魔をする余計な食品が多く入っていませんか?
冷蔵庫には砂糖いっぱいのジュースが並んでいませんか?
皆さんの家計を助ける食生活は、
実は歯も助けるのです。
