インプラント使いまわし騒動
患者さんから 「テレビでよくやってますが、インプラントって大丈夫ですか?」
という話を何度か聞きました。
最初何のことかわかりませんでしたが、
それがあのインプラント使いまわし事件のことだとわかるまで
時間は掛りませんでした。
いまさらですが、信じられない事件です.。
同じ歯科医師として、被害者の患者さまには心より
お悔やみ申し上げたい気持ちです。
それと同時に現在98%の成功率を誇るインプラント治療の信頼性を、
地に落とす結果になったことに、憤りを感じずにはいられません。
わく歯科ではスタンダードプリコーションの概念のもとに
<a href="http://www.ishiyaku.co.jp/search/de=421570
全ての患者さんを感染症として対処していますが、
中でも体の内部を通過する器具に関しては、
もっとも滅菌レベルの高い扱いをしています。
 https://www.wakushika.jp/guidance/mekkin.html
インプラントといえば、骨に直接埋入する材料ですから、
それそのものが完全ディスポーザブルで、
パッケージを開けた時点で次には使えません。
そんなことは医療機関に働いた者なら誰でもわかります。
昔、食堂の厨房でバイトしていた友人がこんなことを言っていました。
「床に落ちたバナナなんか息でフッと吹いて皿の上やで。
そやけど俺はあそこには行かんな。」
そう、従業員は一番知っているのです。
ここが信頼できるか否かを
食品偽装でも一緒です。
そこの従業員が自分の会社の商品が信頼出来ず、
それを買わなくなった時から
破滅へのカウントダウンが始まっているはず
抜け落ちたインプラントを洗剤で洗うスタッフの気持ちは
どんなものだったのでしょう。
疑問、不安、不信、失望、怒り・・・・
私は医院を運営するうえで大切にしていることがあります。
それは
スタッフとその家族の口を
全て任せてもらえる医院づくり
プロとして自らが誇りを持てる医院づくり です。
一番医院の裏も表も知っているスタッフが身を任せる医院こそ、
信頼して構わない医院と言えるのではないでしょうか
ここまではスタッフの口の中は全て知っているつもりです。
しかしそこに見知らぬ補綴物などを見つけたときは
本当にショックでしょうね~
これからも足元を大切にしていきたいものです。
それから皆さん、やっぱり安いものは
企業努力の名のもとに
何かが引かれているから安いのです。
医療の安全はタダではありません。
なぜ高いのか、なぜ安いのか
それを知らされないまま、
値段表示だけで決めてしまう心理が
医療の安全性を揺るがせているのでしょう。
わく歯科のインプラントは決して安くも高くもありません。
適正価格だと思っています。
総額が高いから柱を一本抜いておきましょうとか
天井の梁を取りましょうなど絶対ありません。
プロとして本当に必要なものを省く行為が、
患者さんの利益を生み出すことなどないでしょう。
その意味では値段の数字だけに踊らされるのでなく、
根拠、背景をしっかり説明してもらい、
十分納得して安全に医療を受けて下さい。
わたしも100均にばかり買い物に行く習性を
改めます