丹波市 「わく歯科」の院長BLOG

丹波市 歯科 わく歯科

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院長BLOG

ロサンゼルス研修

さあ運動会の後は、鶴歯会のロサンゼルス研修です。 今回は9月18日から23日までという強行軍で、 全く遊ぶ時間はありません。   世界的に有名なぺリオドンティストのDr.Hanと、 日本人でありながら、アメリカで18年も開業されている 補綴のスペシャリスト Dr.後藤の講義です。 この旅に自参した本が、 新渡戸稲造「武士道」と藤原正彦「国家の品格」、

そして竹田恒彦の

「日本がなぜ世界でいちばん人気があるのか」

まるで生粋の国粋主義者のようですが、外に出るときこそ、 日本人としての自分を見つめ直せる良い機会だと常々思っています。 成田でロス行きを待っている間に、 「日本がなぜ世界でいちばん人気があるのか」を読みましたが、 これがものすごく面白い!是非一読をお勧めしたい。 特に子どもたちにこそこの本を読んで聞かせたい。 私自身学校生活の中で、 実は君が代さえ教えてもらっていないことに、 中学で初めて気づいたのです。 震災後の今だからこそ、自虐的になるより、 日本人としてのアイデンティティーを取り戻したいと痛切に感じます。 この旅で日本人としてのDNAを思いのほか 感じることになるのですが、それは後ほど。 成田からロスのフライトの間、後の二冊を読むつもりが、 お 隣の倉敷で開業されている緒方先生とワインを飲み続け、 盛り上がりまくり   トラにならないまでも、モンキー状態でかなりうるさかったはずです。 皆さんごめんなさい。  アメリカは9.11から10年 相変わらずの厳しい審査で、 なかなか入国させてもらえません。 結局空港から出るのに2時間近く掛かりました。 皆時差で疲れているはずでしょうが、 初日だけが唯一の自由時間とあって、 皆ホテルにチェックインしたと同時にロデオドライブにショッピング ロデオドライブと言えば、世界のブランドが立ち並んでいます。 一緒に行った先生方は、円高の中、ものすごい勢いでお買いもの。 私はというと、家族に何も買うなと釘を刺されていたので、 他所のH&Mで土産の子ども服を慌てて買ったのみで、 皆さんのブランドのロゴ入りバックを持たせてもらい、優越感に浸るだけ。 悲しい・・・  初日の夜にはDr.Hanのご招待でコ―リアンタウンで焼き肉 なんとそこにぺリオで世界的に有名なヘンリータケイ先生が来られたのです。 タケイ先生は日系3世で、すでに70歳  しかしアグレッシブに歯周再生療法、インプラント治療と 第一線で活躍されています。 私たちはその後タケイ先生の素敵なご自宅に招いて頂きました。 そこで思いもかけない話を聴くこととなります。

「君たちはDr.熊谷を知っているか?」

熊谷先生と言えば、私も8カ月に亘り、 山形県の酒田市のオフィスに通わせて頂いた、 日本の予防の大家です。 わく歯科が予防の基礎を築くきっかけになった、 恩師とも言える先生の名前を、 まさかインプラント大国アメリカで聴くことに なるとは思ってもいませんでした。 思わず聞きました。   「このアメリカで、Dr.熊谷と同じコンセプトで 診療されている先生がいるんですか?」  笑みを浮かべたタケイ先生が自分を指さしながら 「Meだ」   続けて

「私はインプラントを、歯を残せなかった

歯医者の敗北だと思っている。」

 衝撃でした。 西洋では自然は人間が制服するものであり、 自然と調和を図りながら2000年以上変わらず国家を築いてきたのが、 日本人だそうです。 その意味で、天然歯を徹底的に自然のままに保存する、 熊谷先生のような診療に美を感じるのは日本人だけだと思っていました。 それをアメリカで聴くことになるとは、正直驚きました。 しかしそれが、この地で生まれ育ったタケイ先生の口から聞けたことに、 日本人として脈々と流れるDNAのようなものを感じて、 不思議なものを感じました。  翌日はDr.Hanの講義です。 研修はコリアンタウンにあるDr.Hanのオフィスの研修室でしたが、 実はこのビルそのものがDr.Hanの所有! 今は第一線を退いて、買収した銀行の運営など 経営者としてご活躍とのこと。 去年のマロもそうでしたが、あまりにもスケールが違いすぎて、 羨ましくもなりません。 前歯部の抜歯即時インプラントと それに伴うクレッセント(三日月)グラフトが研修テーマ 研修の最初は鶴歯会代表の岡崎英起がDr.Hanの前でケースプレし、 疑問を投げかける形で始まりました。 講義中も活発な質問と議論が起こりましたが、 常に柔和な表情で丁寧に受け答えされるHan先生は、 さしずめアメリカの仏というにふさわしい人格者。   そして一同その素晴らしいテクニックと論理展開に二日間酔いました。   さて最終日は補綴のスペシャリストDr.後藤の講義です。  後藤先生は宝塚出身で日大からU.S.Cに学ばれ、 現在カリフォルニアで開業18年 母校USCの大学院で教鞭をとられている優秀な先生です。 一つの治療を選択する上でのEBMに基づいた 緻密なフィロソフィーはさすが。 ところがその先生が、数年前に聴いた講義と違い、 最近ではデータより、 とりあえず残してみる方針に変わってきているとのこと。   その上、専門医のインターディスプリナリーが当たり前の アメリカの医療に疑問を感じていると聞いて驚きました。   取りあえず残すことも、一人の医師が総合的に口を診ることも、 それは日本の医療では当たり前のことです。 つまり日本で一度も医療を実践されていない後藤先生が、 なぜか日本の医療に近づいておられるようで, またも不思議な感覚を覚えました。 ヘンリー・タケイ先生も後藤先生も育った環境が違っても、 底辺に流れるのはやはり日本人としてのDNAなのでしょうか。

ここでも「和して同せず」

(協調はしても迎合せず自分を貫く)の

日本人精神を感じずにはおれません。 一人納得していました。  それにしても、後藤先生がカリフォルニアの環境を 選ばれたのはその気候の良さとのこと。 それは私自身、いつロサンゼルスに行っても感じます。 この汗掻き大魔王と呼ばれる私が、全く汗を掻きません。 今回も時差ぼけが治らない中でも、 あまりの気持ちよさに毎朝ジョギングしていました。 裏通りはHanのオフィスと違い、ちょっとデンジャラスな空気が流れる街。 さすがに夜は出歩くなと言われることに納得です。 ただ表も裏も、ロスの太陽は同じように日を照らし、 心地よい空気が周囲を包みます。 どこまでも走れる気がするのは日本と明らかに違いました。  成田に着くなり、いつもの汗掻き大魔王に戻る 自分の濡れた背中が、後藤先生と同じくカリフォルニアを 懐かしく感じさせる旅でした。 ただ遠く離れたロサンゼルスで、わく歯科の「べっぴんブログ」を読んで 涙に咽びながら、やっぱり早くみんなの顔を見たい!と 土産のチョコレートを持ちきれないほど買い込むのでした。 こうして海外に行かせて頂くのも、スタッフ、家族の理解と協力のお蔭です。 それにしてもLAXの免税って何であんなに小さいの!? 「和して同せず」  私にとって、これからも日本人として、 丹波の地に根を下ろした医療の実践を誓う 研修旅行になりました。