丹波市 「わく歯科」の院長BLOG

丹波市 歯科 わく歯科

完全予約制 ネット予約0795-82-1128
  • 診療時間
    9:00~13:00/14:00~18:00(土曜17:00)
  • 休診日
    木、日曜、祝日(木曜日変更の場合があります)

院長BLOG

慈眼寺への旅 Part2

私たち二人は今回その塩沼亮潤大阿闍莉の開山された 慈眼寺で護摩供養をして頂くよう、 仙台へと元旦から向かったわけです。 前日飲み過ぎて、 和久憲三の運転するレンタカーで雪深い秋保へ 護摩を焚かれる本堂に入るには、 先着順とのことでしたから、 午後一時からの供養に九時に到着して 順番を待つことにしました。 早速護摩木をいくつも書き終え、 阿闍莉様の著作を二人で読んでおりますと、 何と面会して頂けるとの知らせ とても緊張しました。 お恥ずかしいことですが、 「明けましておめでとうございます」以外 挨拶の仕方が浮かびません。 ところが隣の憲三が名刺をお渡しすると、 そこに書かれている生年月日を見て、 阿闍莉様の顔が緩みます。 「私と同じ誕生日ですよ!」 何というご縁でしょう! そこからは緊張がほぐれ、言葉が弾みます。 いろんな話の中で、市川海老蔵のことに触れられました。 「私はどこに講演に行っても、 ホテルから一歩も外には出ません。 例え出るときにも、 両脇に付き人を従えて出るように用心しています。 もし私に何かあれば、 大勢の皆さんにご迷惑をお掛けするからです。」 どんな時にもスイッチはON状態 プライベートといえど、 決してOFFになることはないと断言されていました。 自分など昨晩の酒の残る顔でそこにいることが、 恥ずかしくて仕方ありません。 その後 行の時間が迫り、 私たちも並んで本堂に通されました。 およそ70席ある寒い寒い本堂で、 幸運にも阿闍莉様に一番近い席に座ることが出来ました。 30分ほど寒さに震えながら待っていると、 外で響く鐘の音とともに、若い役僧の叩く太鼓の音 それを合図に白装束に身をまとった 阿闍莉様が登場されました。 先ほどまでの柔和な表情とは一変、 厳しい行者の顔つきです。 積木(しゃくぼく)の積まれた祭壇に 上がられた阿闍莉様の、点火までの所作の一つ一つが あまりに美しく、 その伸びた指先、 澄んだ鈴(れい)の音色、 輝きを放つ刀の抜き差しまで 皆魔法に掛かったように魅せられていました。 すると炉に火が放たれた瞬間垂直に上がる大量の煙 天井に取り付けられた換気扇が その煙を吸い上げたと同時に、 ものすごい火柱が立ち上がります。 その火を待っていたかのように、 若い役僧が激しく火炎太鼓を打ちならし、 声の限り般若心経を叫びます。 それに合わせてとり囲む皆が、 一斉に唱え出すのです。 その間、阿闍莉様は積まれた護摩木に刀を入れ、 邪気を払い、握り締めた木を火の中に投げ入れます。 火柱の高さはどんどん増し、 本堂の正面に建つ蔵王権現の顔を赤く染め上げ 一層その表情を際立たせます。 阿闍莉様の気迫と、 役僧の打ちならす火炎太鼓と 叫びにも似た般若心経が、 私たちの心に住む魔を追い払うようです。 全てが終わると、 私自身ただただ合掌していたに過ぎませんが、 フラフラになりました。 素晴らしい体験でした! 本当に感動しました! それは荘厳というにふさわしく 大阿闍莉様のお姿は神々しくも スポットライトを浴びる歌舞伎役者のようでもありました。 帰りにまたいつもの柔和な表情に戻られた 阿闍莉様と写真を撮り、寺を後にしました。 和久憲三は、1月10日よりアメリカにプロテストに旅立ちます。 その手には阿闍莉様から送られた数珠と 『人生生涯小僧のこころ』が きっと彼の旅に立ちはだかる魔は追い払われたことでしょう。 阿闍莉様と同じ日に生まれた彼の前途は、 あの焔のごとく明るく熱く、燃え盛ることだと信じています。 アメリカでの千日回峰の無事を祈らずにはおれません。 http://waku.blog.eonet.jp/blog/2011/01/