丹波市 「わく歯科」の院長BLOG

丹波市 歯科 わく歯科

完全予約制 ネット予約0795-82-1128
  • 診療時間
    9:00~13:00/14:00~18:00(土曜17:00)
  • 休診日
    木、日曜、祝日(木曜日変更の場合があります)

院長BLOG

西宮市歯科医師会で講演 『心と技術の融合』~人が輝く歯科医院をめざして

 当院麻酔科医安留先生のご紹介で、 西宮市の大阪歯科大学同窓会の講演を頼まれました。 テーマはスタッフマネージメント 『心と技術の融合』~人が輝く歯科医院をめざして~ これまで大学の先生方が講師として招聘されたこの舞台に、 丹波の田舎開業医が呼ばれることは異例中の異例 一体私が何を話せばいいのでしょう?本当に困りました。 安留先生は「ええねん、ええねん、 いつも大学の講義の延長みたいな話ばっかりやから、 目先を変えて和久ちゃんみたいな開業医の話がええねん」 その言葉を鵜呑みに、いつものように徹夜しながら、 福知山線の電車の中でもパチパチとPCを打ち続けました。 そして梅田の新阪急ホテルの会場に上がってビックリ仰天! その立派な会場にこのような垂れ幕!   そして集まって来られる先生方の年齢層にビックリ! どう見ても平均年齢60近い大先輩ばかり・・・ その中には今は亡き父が学位を頂いた名誉教授まで こんな皆さんに、どこの馬の骨とも分からない田舎者が、 今更医院マネージメントなんて・・・とほほ   しかしやるからには卑下しても始まりません。 最初から全力投球で講演させて頂きました。 90分しゃべりっぱなしで、乾いた喉に懇親会のビールが沁み渡ります。 途中酔ってしまう前にと、父と私がお世話になった 口腔外科の岡野博郎名誉教授に、 ビール瓶片手にご挨拶に行きましたところ、こんなお話しを頂戴致しました。 「いい話やったな~。天国のお父さんも喜んでおられるよ。 僕も本当に嬉しかったわ。 君はとても良く患者さんの話を聴いてるようやな~それは素晴らしいことや。

でもな、生体の声にも耳を澄ましなさいよ~。

生体の声はいつも平等や。

例え患者さんが大丈夫と言っても、

いつもと治癒が違えば、

そこには何かが隠されているものやからね。

それを見過ごすことなく、自然科学者として

生体に誠実に向き合わないといけないよ。

今日は本当にありがとうね。」 学生時代はあまりに偉い教授で、 父が世話になっていたことを知ってはいても、 近寄ることも挨拶することもありませんでした。 ところがその先生にこのような勿体ないお言葉を頂戴し、 感激のあまり落涙するのをこらえて、言葉に詰まりました。 開業するとマネージメントだのマーケティングだの、 院長としての仕事の比重も大きくなります。 今日の僕の講演は、プレーイングマネージャーとして仕事する開業医の、 マネージャーとしての側面に焦点を当てたもの しかし岡野先生の言葉に、 歯科医師としての本分に立ち返らせて頂いた気がしました。 さすが自然科学者の頂点におられた方の言葉の重みは違います。 もしかしたらこの出会いは、父が天国から導いてくれたものかもしれないと思うと、 また熱いものが胸を締め付けるのです。 その後安留先生に千鳥足で連れて行ってもらった、 お初天神のコアなバ―の埃を被った貴重なアイルランドウイスキーの味も 忘れられませんが、「生体の声を聴く」 という岡野先生のお言葉に、 すっかり酔った一日でした。