ざわざわカレッジ~『エッ、ウソ!?この病気歯が原因!?』
ざわざわカレッジで「エッ、ウソ!?この病気、歯が原因?!」と
題して講演させて頂きました。
これまでも丹波医療再生ネットワークの一員ではありましたが、
この壇上に立つのは、医師、薬剤師だけでしたので、
歯科医師として初めてここで講演する重圧は
正直予想以上でした。
このざわざわにご参加される住民の皆さんが、
健康への意識が高く、聴き慣れておられることに加え、
何より他の医療者が歯の話を聴く
初めての機会であることが、責任を重くしていました。
ただいつも丹波新聞の足立智和記者の
医療事情の講演とセットだったのが、この日は違いました。
「柏原病院の小児科を守る会」の代表 丹生祐子さんが
その理念と歩みを私の前に講演されたのです。
その優しく柔らかな語り口に皆魅了されました。
私は次演者席で聴きながら、自分の講演の冒頭に、
「守る会」の残した精神と題したスライドを急遽加えました。
丹波市民には運動の成果だけが伝わり、
その本質が理解されていないのではないだろうかと
日頃危惧していましたので、この機会にそのことにも言及したのです。
私の講演は、歯の感染がもたらす病気、
咬み合わせがもたらす病気、
修復材料がもたらす病気に分けて話しました。
歯の感染では、現在さまざまな病気の原因になっていることが、
多くのメディアでも報道されています。
しかし実際歯周病で抜いた歯と
その付着物を顕微鏡で見た方は多くありません。
特に一般の医師がそれに触れることは皆無でしょう。
そこで日頃仲良くさせて頂いているネットワークの関係者だからこそ、
少し弄らせてもらいました(笑)
「ご覧になったお医者さんはおられますか?
あれ、里先生のご実家は歯医者ではなかったですか?」
失笑
「こんな物が身体に刺さったまま
治療されている実態をどう思われますか?」
医者の世界でさえ臓器別に分けられてきた歴史があります。
最近やっと総合診療の重要性が取り上げられていますが、
やはりそこに歯科の姿はありません。
お医者さんが「あ~んして」の先にはまだまだ喉しかないのです。
その手前に目を向けて頂くためには、
歯医者自身が歯だけに視野をとられている現状こそが
問題ではないでしょうか。
江戸時代の養生訓の著者 貝原益軒もこのように言っています。
「人は歯をもって命とする故に、 歯という文字を齢ともよむ」
充実した講演の後には気心知れた皆で
命の水(ただの酒)をしこたま飲んで、
齢をすり減らすネットワークの面々でした。
まあこれがあるから続くのでしょうがね