
3月に年度末のプレゼンをしたにも拘わらず、
今年度初めのプレゼンに欠席者の代わりとして、
再度私が登壇することになりました。

八木先生から「テーマを絞ったほうがいい」と忠告されていましたので、
『咬合力を考察する』と題して、
中村セミナーから取り入れたDeprosを中心に話しました。

このME機器を導入してからというもの、
咬合力のもたらす非機能的な力を可視化することで、
臨床が大きく変わりました。

歯医者の臨床はこれまでは、EBMとはいっても、
ほとんど名人のカン・コツの世界。
診断も経験則ならば、具現化においては
術者の技量が大きく反映されてきました。
まさに上手いか下手かという形容詞で
表現されることが多いのが事実です。
DeProsはそんなカンコツの世界を
デジタルで可視化してくれる優れ物。


これまで咬合紙の赤青表示でしか判断出来なかったものを、
数値化して本当に問題になる部位を特定してくれます。

それにより虫歯でもないのに冷たい物がしみるような、
力で起こる歯髄充血への対処や
被せ物のマテリアルの選択、
またインプラントを含めた全顎的な治療の
同時均等接触を可能にしました。

この優れ物のお陰で、術者患者ともども安心安全を担保出来るのです。
私のプレゼンを聴いて、買いたいと言われる先生もおられたのですが、
残念ながらこのDePros、この6月で発売中止になったのです!
この器械売れていません。
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私はまさに駆け込みで、この機器の恩恵に預かれましたが、
私たちの業界がいつまでもカンコツの世界に留まっている限り、
患者さんにとっても不利益と思われる企業論理に
振り回されることになります。
どんなに優れたイノベーションも、
使う私たちが正当な使用をしないのでは、無用の長物にしかなりません。
という私もスマートフォンを持ってはいても、全く使いこなせていません。
それに関しては私が「遅れてる人」で済みますが、
DeProsの発売中止は、患者さんにとっては
「遅れてる~」では済まされませんね。