画期的インプラント講演会
3月7日
大阪のクリスタルタワーにある白鵬という
インプラントメーカー主催で
画期的なインプラント講演会が開催されました。
普通何でもそうでしょうが、
メーカーはそのユーザーだけを演者にするものです。
例えばサントリーのCMで、スーパードライをぐびぐび飲んで
「うまい!」なんてことありえません。
つまりサントリーが主催するプレゼンでは、
モルツが一番うまいのが当たり前。
いまや私たちユーザーは
そのメーカーの言うことだけを聴くのではなく、
溢れる情報の中から
正しいものを取捨選択することに
また情報を駆使しなければならないという面倒な時代です。
そんな中、白鵬は何とも懐の深い講演会を開催しました
一慨にインプラントとは言っても実は様々あります。
白鵬が扱うものはHAという表面性状を持つ
カルシテックインプラントで、
私も使っていてその優位性を実感することも多々ある
素晴らしいインプラントです。
ただ反面、バイオインテグレイトという
優位性ゆえの術式に批判があることも事実です。
今回その術式を積極的に取り入れておられる吉竹先生と
その友人でもあり、
私も日ごろから公私にわたりお世話になっている
海本先生のお二人が登壇されました。
実は海本先生は前にもご紹介致しましたが、
理論なき実践は暴力だ!を心情とされる
白鵬にとってはある意味
批判派の急先鋒ともいえる先生です。
https://www.wakushika.jp/staff-blog/archives/377
そのお二人がそれぞれの立場から過去のインプラントの
歴史から現在に至るまでをディスカッションされるということで、
私なんかは野次馬的好奇心で
わくわくして拝聴させて頂きました。
いや~本当に面白かった。
なかなかこんな講演会をいちメーカーが
主催するなんてありませんでした。
吉竹先生はインプラントが氾濫する今の現状を憂い、
過去のご自身の失敗も正直に反省され、
超高齢化社会にふさわしく人にやさしいインプラント治療を
提唱されていました。
海本先生は理論武装もさることながら、
その華麗なテクニックで、難度の高い症例を
理想的なインプラント周囲環境に仕上げ、
観衆をうならせておられました。
私はお二人の話をお聴きして、ずるいようですが
そのどちらも正しく、やはり患者さんに応じて使い分けるべき
ではないかと感じています。
高齢化社会を見据えれば、
まだ体力のあるうちにインプラントの環境を整えることも
大切でしょう。
また腫れや痛みが出ないように、
よりシンプルに出来る術式があれば
複雑にしてしまう必要もないでしょう。
ただどの選択にも不確実性や失うものは付き物です。
私たちは常にそのことを患者さんに正直に伝え、
患者さんの選択を尊重するよりありません。
恐ろしいことは、本当はスーパードライが旨いと思っていても、
サントリーのCMに出ているからそれを口に出せないことです。
そのことこそが、消費者や患者さんを欺くことに繋がります。
科学は真実を探す行為です。
しかし実は、全ての真実と思えるものも
見方を変えると違う論文が存在したり、
考え方捉え方が違うことも事実なのです。
私たちはそのことを知り、過信盲信を改め
医療に対して謙虚な姿勢で臨むよりありません。
その点今回の白鵬の英断は素晴らしい!
そして吉竹先生、海本先生が親友で、
互いを尊敬しあい受け入れておられる姿に、
とても清々しい後味の講演会になったと思います。
今回の講演会は大阪の会場で、
クローズド?に近い講演でしたが、
これを全国でやることが出来たら、
本当の意味でインプラント治療も白鵬も
開かれた未来を実感できます。
期待していますよ~