![s-E58D81E4B889E4BABAE381AEE588BAE5AEA2[1]](https://www.wakushika.jp/staff-blog/wp-content/s-E58D81E4B889E4BABAE381AEE588BAE5AEA21.jpg)
いや~久しぶりにカタルシスを存分に味わえる映画でした。
風邪引いて、ベットの中で観た 『必死剣鳥刺し』とはあまりに違うテイスト
あの時これ観ていたら早く治ったかもと思わせるほど
元気になりましたわ
何と言っても 稲垣五郎演じるカリギュラのごとき、
残虐極まりない暴君ぶりが秀逸

役者は悪役ほど楽しいと言います。
その点これ以上楽しい役はそうそうないでしょう。
五郎ちゃんが何とも無邪気に、
愉快に演じているのを観て、
思わず微笑んでしまったのは私だけでしょうか。
やっぱ敵役はここまでいかなくちゃ
![s-gnj1007300502001-p1[1]](https://www.wakushika.jp/staff-blog/wp-content/s-gnj1007300502001-p11.jpg)
ラスト50分にも及ぶ村のセットを丸ごと潰すほどの活劇は、
近年稀に見る面白さ
その細部に及ぶ仕掛けが、
男の子の心を存分にくすぐります。
いや~このセットの中でチャンバラしたい~

さすが松方弘樹の殺陣は他とちと違う
かっこい~
威張らず、恐れず、意気込まず
なで肩でやぐらの上に佇む役所広司の
その立ち姿がまたかっこいい~
でもある意味 伊勢谷友介の大物ぶり(笑)が一番かっこい~(?)
![s-336481_010[1]](https://www.wakushika.jp/staff-blog/wp-content/s-336481_01011.jpg)
![s-4c7191412fd05o0400026710701996961[1]](https://www.wakushika.jp/staff-blog/wp-content/s-4c7191412fd05o04000267107019969611.jpg)
私などボクシングやK-1を観ているときと同じように、
子どもの話しかける声も聞えない興奮ぶり

余計な人工の照明が全くない分、
朝方の活劇で初めて役者が誰だかわかるじれったさも、
楽しい仕掛けに感じました。
![s-1285918363[1]](https://www.wakushika.jp/staff-blog/wp-content/s-12859183631.jpg)
ただこのような映画の難点は、
四時間近い『七人の侍』 でさえ、
一人一人の人物像に迫る時間が短く感じた点です。
![s-Seven_samurais[1]](https://www.wakushika.jp/staff-blog/wp-content/s-Seven_samurais1.jpg)
今回は13人。それも上映時間2時間20分。
なおさらそこに割ける時間はありません。
島田新兵衛が立ち上がるまでに一話。
それぞれのキャラ立ちに3話、
戦闘シーンに2話を要してもいいでしょう。
誰かテレビで連続活劇にしてくれるプロデューサーはいませんかね~

ベネチアの審査員にタランティーノがいてくれたら、
金獅子賞も夢ではなかったかも
残念

それにしても太平の世を退屈を感じると、
あのような暴君を生みだすのかもしれません。
ただ彼も生きる実感がほしかったのでしょう。
死の間際に吐いた「礼を言うぞ。今日が一番楽しかった」という一言が
それを象徴しています。

震災を経験して、
私たちはこれまで以上に生きる喜びを実感し、
感謝の心を養うことが出来ました。
例え平和で、平穏な生活を取り戻したとしても、
今の気持ちを忘れないようにしたいものです。

当然家では暴君になれるはずもありませんが・・・